【6月22日 AFP】台湾は22日、自主開発した新型練習機を公開した。好戦的な姿勢を強める中国と対峙(たいじ)する台湾は、独自の防衛兵器の製造に注力している。

 台中(Taichung)で行われた新型高等練習機(AJT)「勇鷹(ゆうよう、Brave Eagle)」の初公開飛行の式典には、蔡英文(Tsai Ing-wen)総統が出席し、同機の飛行を「歴史的瞬間」と評価。

 蔡総統は、台湾が自称する「中華民国」を用い、「きょうは中華民国空軍にとって特別な日であり、自国の航空宇宙産業にとっても重要な出来事となった」「防衛面での自給自足を目指す上で、重要な部分になる」と語った。

 練習機は、操縦士がはるかに高価な戦闘機に乗り始める前に経験を積むためのもの。台湾は現在の旧型航空機の代わりに、この新型練習機を導入することが可能になる。

 過去数十年間、台湾は中国の巨大な人民解放軍(PLA)に対し、その数と武器装備の面で劣勢に置かれてきた。

 その上、欧米諸国が中国の憤怒を招くことを恐れ、台湾に高性能兵器システムを売ることに一層慎重になっていることで、この軍事的不均衡はさらに広がってきた。

 そのため台湾はミサイルや潜水艦、今回の新型高等練習機といった兵器の自主開発を余儀なくされている。(c)AFP