【6月28日 東方新報】香港観光業が新型コロナの影響で瀕死の中、香港ディズニーランド(Hong Kong Disneyland)が18日、5月ぶりに再開した。香港ディズニーランドは1月26日に閉園措置がとられていた。 

 入園者はインターネット予約が必要で入園人数が制限される。会員カード保持者は8日前から、その他の旅行客は7日前から予約できる。3歳以下の子供は予約しなくても、従来通り無料で入園可能だ。ネット予約の際に、熱がないこと、呼吸器感染の症状がないこと、過去2週間以内に香港以外の地方に出かけたことがないこと、新型コロナウイルス感染確診者との接触がないこと、および強制検疫を受けていないことを確約する「健康声明」を出してもらい、入園時にも体温検査があり、マスクを着けていることが必須という。ソーシャルディスタンス措置を実施するので、ディズニーのキャラクターたちとの記念写真もしばらく中止だ。 

 香港では、昨年の香港「反送中デモ」の影響に続いて新型コロナウイルス感染症のダブルパンチで観光客が激減。5月の観光客数は約8100人で例年の99%減となった。そのしわ寄せを受けるのは、主に観光業界の従業員たちで、雇い主から無給休暇を強制取得させられたり、依願退職後に、バイトやフリーランスの形で同様の仕事に従事させられたりしている。いちおう、来月から香港政府はこうした観光業界の従業員に対して毎月5000香港ドル(約6万8957円)の給付を開始するが、フリーランサーのガイドやアルバイトまでは救済されない。こうした状況を克服するためにも、観光業の再開が急がれており、香港旅游発展局は15日に正式に「観光は香港にあり」計画を発動した。 

 これは、いまだ世界各国では厳しい渡航制限が敷かれているなか、まず香港市民自身が観光客となって、香港の魅力を全方位的に発掘し、観光業を支えようというもの。 

 旅游発展局の彭耀佳(Peng Yaojia)主席は「旅游発展局としては、観光業復活の全体戦略をここから始める。まず香港人による香港観光で、ムードをもりあげて、これを全世界にむけてポジティブに発信し、後日に香港観光客を増やす自信としたい」と述べた。さらに「この計画は、観光、小売り、飲食業界を大いに支えて、連携して消費を刺激するものだ。この計画を通じて、我々は後日に観光客を迎えるための準備を整えよう。また、個別には、観光、消費などのインフォメーションや優遇、予約客の増加、航空券+ホテルセットの優遇などで海外からの香港訪問客を呼び寄せたい」とよびかけた。 

 あまり知らないスポットも含めて100以上のおすすめ観光スポットを紹介し、飲食、ショッピング、娯楽のスポットに立ちよって、優遇を受けたり、観光地で指定の金額以上の消費をすれば、現地ツアーに参加できたりと、段階的に優遇が受けられるようにしている。今後数か月は、様々なアイデアで市民観光を盛り上げ、市民にインターネットを通じて、香港の魅力を発信してもらう。 

 香港ディズニー再開は、こうした計画と連動しての動きだ。香港観光産業が蘇生できるかどうか、まずはミッキーと香港市民に頼るしかない。(c)東方新報/AFPBB News