【6月22日 AFP】フランス各地で21日、毎年恒例の「音楽の日」のイベントが行われ、大勢の市民が参加した。新型コロナウイルス対策として、一部の行事には制限が適用され、衛生面での規制も設けられたが、参加者らはソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)や感染拡大防止のための注意事項を忘れたかのように密集し、通りでダンスする人の姿も目立った。これを受けて、気の緩みと批判する声も上がっている。

 首都パリでイベントに参加した28歳の女性は、「『音楽の日』は大切です、国民的行事ですから」と話した。対人距離の確保規則を守るつもりだったか、との質問には「いいえ!」と笑って答えた。

 これを受けてインターネット上では、厳しい批判の声が上がった。ツイッター(Twitter)ユーザーらからは、「第2波に向かってしまう気がして、本当に怖い」「無責任だ」といった指摘や、「甚大な公衆衛生危機の直後に音楽祭とは、全く名案だ」といった皮肉も聞かれた。

 パリのアラブ世界研究所(IMA)の広場でもイベントは催されたが、ここでは新型ウイルス対策での規則が守られた。延べ500人の参加者は、3メートルの間隔を空けた10人ずつのテーブルに着席したまま、アラブ系のラップやポップミュージックを楽しんだ。

 IMAでのイベント冒頭には、フランク・リーステール(Franck Riester)文化相も姿を見せた。リーステール氏は、「出掛けようと思っている皆さんには、警戒を忘れず、責任ある行動をするようにお願いしたい。距離を保ち、警戒しながらでも音楽は楽しめるはずだ」と話していた。(c)AFP/Laure FILLON