【6月22日 AFP】地中海で移民船の動向を見守っているイタリアの団体「メディテラニア(Mediterranea)」の移民救助船が20日、イタリアに入港した。移民救助船の同国入港は、新型コロナウイルスの流行が同国で収まって以降初めて。

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 移民救助船「マーレ・イオニア(Mare Ionio)」号は19日、同国ランペドゥーサ(Lampedusa)島沖約40カイリ(70キロ)の地点で漂流していたボートに乗っていた移民67人を救助。世界難民の日(World Refugee Day)に当たる20日、同国南部シチリア(Sicily)島ポッツァッロ(Pozzallo)に到着した。同団体によると、移民らは2日間、水を飲んでいなかったという。

 複数の人権団体が移民救助船の移民らを歓迎し、同国当局が異例の速さで港を指定したことを評価。メディテラニアのアレッサンドラ・サイウルバ(Alessandra Sciurba)代表は「今回だけは、安全な港の提供を義務付ける国際法が短時間で順守された」と述べた。イタリア人ジャーナリストで移民専門家のネロ・スカーボ(Nello Scavo)氏はツイッター(Twitter)で、「数年ぶりに『安全な場所』が24時間以内に指定された。自動的に行われるべきだ」と述べた。

 先週にはドイツの非政府組織(NGO)「シーウオッチ(Sea-Watch)」の移民救助船「シーウオッチ3(Sea Watch 3)」が約100人を乗せてリビア沿岸から出航しているが、メディテラニアは、シーウオッチ3の乗組員と移民にも安全な港を提供するよう呼び掛けた。

 映像は19日撮影・提供。(c)AFP