【6月22日 AFP】41歳のクリス(Chris)さんにとって、それは「人生最高の経験」だった。結婚が決まったのか。子どもが生まれたのか。それとも高給の仕事が見つかったのか。そうではない。クリスさんは、サッカーの試合をようやく生で観戦できたことを言っていた。

 クリスさんは21日、3000人の観客の一人として、ブロンビーIF(Brondby IF)対FCコペンハーゲン(FC Copenhagen)の試合を現地で観戦した。クリスさんは「3か月スタジアムへ来られなかったから、こうして戻れて人生最高の経験だったよ」と話している。

 デンマークでは、新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)を経て、5月28日に無観客でリーグが再開した。現在も入場者数は500人以下に制限されているが、この試合では特別に、厳しい感染対策を講じた上で3000人の入場が認められた。当局は現在、人数制限を恒常的に緩和してもいいかを検討している。

 普段は2万8000人を収容するスタジアムも、21日はサポーター同士が2メートル距離を空けるよう求められた。それでも、ファンは明るい面を見ている。

 22歳のエミール(Emil)さんは「きょうのスタジアムは3万人いるみたいだったよ」「みんなそうだと思うけど、スタジアムがすごく恋しかった。戻って来られて本当に最高だ」と話した。

 試合は1-1の引き分けだった。(c)AFP