【6月21日 People’s Daily】中国の貿易は新型コロナウイルスの感染拡大で減少した。そこで、いろいろな政策が打ち出され、企業は新市場を開拓した。貿易は輸出が第1四半期に前年同期比で減少したあと、回復した。4月の輸出は1兆4100億元(約21兆3000億円)で、前年同月比8.2%増、5月は1兆4600億元で1.4%増だった。

■貿易の発展状況に変化はない

 青島三碩健康科技有限公司の生産現場では、労働者がてきぱきと働いていた。国際業務センターの楊麗雲(Yang Liyun)主管は「注文は7月分まで入った。4月以降、欧州の顧客からの注文が増えた」と語った。

 中長期的に見ると、中国の貿易が発展していく状況に変わりはない。今年に入ってから、各地の各部門はいろいろな措置を講じて企業の操業再開を支援した。税関総署の統計によれば、3月に輸出入を行った企業は29万7000社に達し、2月より53.4%増えた。

■企業の競争力が強まる

「操業を再開してからこれまで、ほぼ毎晩、残業をした」と語るのは浙江頂康科技有限公司の潘岩君(Pan Yanjun)会長。潘会長によると、注文の獲得と研究開発は不可分の関係にあるという。この会社は研究開発を堅持し、市場占有率を高めている。

 中国の輸出企業は近年、人材の導入や生産工程の改造、新製品の開発などにより、国際競争で新たな強みを獲得している。新型コロナの流行期、輸出企業はモデルチェンジ、グレードアップの歩みを速めた。税関によれば、過去5か月間の電気機械製品の輸出は3兆6400億元(約55兆1700億円)で、そのうち自動データ処理装置とその部品の輸出は5086億1000万元(約7兆7000億円)で、前年同期比1.8%増だった。

■市場多様化戦略が輸出を支える

 数十トンの殺虫剤を積んだ大型トラック数台が河北威遠生物化工有限公司を出発した。積み荷は上海で船に載せられ、パキスタンに運ばれ、イナゴ対策を支援することになる。国際センターの楊建輝(Yang Jianhui)副社長は「第1四半期の輸出額は2400万ドル(約25億8000万円)前年同期比16%増だ」と述べた。

 中国の輸出企業は近年、輸出市場多様化戦略を推進している。「一帯一路(Belt and Road)」沿線諸国など新興市場の開拓に力を入れている。過去4か月間の「一帯一路」沿線諸国との貿易額は2億7600万元(約41億8000万円)で、前年同期比0.9%増だった。

 中国の貿易は今後も一定期間、国際市場の需要縮小などの問題に直面することになるが、国際市場でもまれてきた中国企業は強靱(きょうじん)で、潜在力も大きい。中国の輸出企業は革新の意識が強く、産業チェーン、サプライチェーンもしっかりしている。そのうえ、貿易の安定化策も実施されており、これらが中国の貿易回復を支えている。(c)People's Daily/AFPBB News