【6月22日 AFP】イタリア北部プレゼナ氷河(Presena Glacier)では夏の到来に伴い、地球温暖化から氷河を守るべく、雪で光る氷河を防水シートで覆う作業が急ピッチで進んでいる。

 この氷河は1993年以降、30%超縮小。スキーシーズンが終わりケーブルカーの運行が停止すると、保護活動家たちは、太陽光線を遮断する白い防水シートを用いて、氷河の融解を止める作業を急ぐ。

 作業を実施しているカロセッロ・トナーレ(Carosello-Tonale)社の関係者はAFPに対し、「この一帯はずっと縮小が続いているため、われわれはできる限り広い範囲を覆う」と説明。

 シートに覆われるのは、プロジェクトが始まった2008年は約3万平方メートルのエリアだったが、現在は10万平方メートルに拡大。

 日光を反射するジオテキスタイル(土木用の安定繊維材)で覆い、温度を外より低く維持することで、雪を極力多く残すという。

 作業員らはロンバルディア(Lombardy)およびトレンティノアルトアディジェ(Trentino Alto Adige)両州の境界地帯で帯状のシートを広げ、高度2700~3000メートルのエリアを覆っていく。

 青空の下、作業員らは整然と山を下りながら、シートをぴんと張り、隙間に暖かい空気が入り込まないようにしていく。

 長さ70メートル、幅5メートルのシートで覆ったら、風に飛ばされないよう重りとして砂袋を置く。シートは下の白い雪とほぼ区別がつかない色だ。

 シートの設置作業には6週間を要し、冬が再び始まる前の撤去作業にも6週間かかる。作業リーダーは、シートの技術改善によって氷河を保護する機能が以前より向上していると語った。(c)AFP