【6月23日 CNS】中国・雲南省(Yunnan)でチベット族が1300年にわたり生活し、「月光城」と呼ばれる独克宗古城が2014年の大火を乗り越え、輝きを取り戻している。高原の涼しい風が吹く中、チベット族の文化を伝える美しい風景を、観光客を楽しませている。

 独克宗古城は、雲南省迪慶チベット自治州(Diqing Tibetan Autonomous Prefecture)シャングリラ市(Shangri-la)に位置し、仏教の経典に登場する伝説のシャンバラ王国をイメージして建設された。「独克宗」はチベット語で「石の上で造った城」と「月光城」という意味を持っている。

 独克宗古城はかつて、雲南茶とチベットの馬を交換する交易路「茶馬古道」の重要な中継点で、経済や文化交流の拠点でもあった。地元のチベット文化研究家のラアンワンティさんは「独克宗には多くのキャラバンが集まり、商人らは2階で食事し、ラバは1階に縛られて草を食べていました」と説明する。

 ラアンワンティさんによると、1957年に高速道路が開通するとキャラバンが消失し、独克宗は徐々に衰退した。1990年代からシャングリラが観光地として人気が高まると、独克宗は中国で最も完全に保存されたチベット族最大の民家群として国内外の観光客が訪れるようになった。

 しかし、2014年に大火事が発生し、街並みの約6万5000平方メートルが焼け、中心保護区域の約18%が焼失した。地元の人々は「歴史、文化を尊重して街並みを修復する」という理念に基づき、独克宗を再建。2016年に再建が完了し、ラアンワンティさんは「街並みは基本的に以前と同じように再建されました。照明が追加されたため、夜はより美しくなりました」と話す。

 年内にはシャングリラと麗江市(Lijiang)を結ぶ高速道路が開通し、2021年には両都市間を結ぶ鉄道が開通する予定で、独克宗は今後さらに多くの人々を魅了しそうだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News