「荒野へ」の舞台となったバス撤去 「巡礼者」の遭難相次ぎ 米アラスカ
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【6月20日 AFP】米アラスカ州の荒野にうち捨てられ、旅行者にとって時には危険な「巡礼地」となっていた1940年代製のバスが18日、同州の軍用ヘリによって撤去された。このバスはジョン・クラカワー(Jon Krakauer)氏による1996年のノンフィクション「荒野へ(Into the Wild)」、また同作をショーン・ペン(Sean Penn)監督が2007年に映画化した『イントゥ・ザ・ワイルド(Into the Wild)』に登場していた。
同作が描いた若い冒険家クリス・マッカンドレス(Chris McCandless)さんは、1992年にアラスカ州の道路、スタンピードトレール(Stampede Trail)の端にうち捨てられた廃バスで一夏を過ごし、114日後に餓死した。
「マジック・バス(Magic Bus)」、または「フェアバンクス・バス142(Fairbanks Bus 142)」とも呼ばれるこのバスを「巡礼」する人は長年後を絶たず、中には荒野のど真ん中で遭難して救助された人々もいる。
アラスカ州軍は一般の人々の安全性を懸念し、天然資源局と協力して、大型輸送ヘリコプター「CH47チヌーク(Chinook)」を使った空輸により、バスを撤去したことを明らかにした。
アラスカ州天然資源局によると、このバスに関連した捜索救助活動は2009〜2017年に15回行われている。今年2月には、バスへの巡礼の旅から戻る途中で遭難したイタリア人旅行者5人を州兵が救出。このうちの1人は極度の凍傷を負っていた。
2010年と2019年には、それぞれスイスとベラルーシから訪れた旅行者が水死する事故も起きている。
天然資源局のコリ・ファイギ(Corri Feige)局長は、どのように取り扱うかが決まるまでバスは安全な場所に保管されることになるだろうと述べ、展示することも選択肢の一つとしている。(c)AFP