【6月20日 AFP】エジプトは19日、ナイル川(Nile River)の巨大ダムをめぐりエチオピアと対立が深まっていることを受け、国連安全保障理事会(UN Security Council)に協議への介入を求めた。エジプト政府は、このダムによって同国に不可欠な水資源が減ることを懸念している。

 エジプト、エチオピア、スーダンは数年にわたり、大エチオピア・ルネサンスダム(Grand Ethiopian Renaissance Dam)への貯水量や運用をめぐって何度も協議を重ねてきた。しかし合意には至らず、3国の緊張関係は高まっていた。

 エチオピア政府は、合意の有無にかかわらず来月から貯水を始める方針を発表。エジプトは、水供給量が大幅に減る恐れがあるとして、このダムを国の存亡がかかる脅威とみなしている。ナイル川はエジプトの水需要の約97%をまかなっているだけでなく、流域10か国にとって水と電力を供給する生命線にもなっている。

 このダムはエチオピアが2011年に着工。完成すればアフリカ最大の水力発電用ダムとなる。(c)AFP