【6月19日 AFP】米連邦議会議事堂(US Capitol)で18日、南北戦争(American Civil War)時に南部連合(Confederate States of America)に属していた元下院議長4人の肖像が撤去された。同国では社会に根付いた人種差別と不正に対する取り組みとして、こうした措置が相次いで実施されている。

 肖像は奴隷解放宣言を記念する6月19日の「ジューンティーンス(Juneteenth)」の前日に当たる18日、ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)現下院議長の指示で撤去された。

 ペロシ氏は、「連邦議会の神聖なホールにも、名誉をたたえるいかなる場にも、南部連合の暴力的な偏見とおぞましい人種差別を体現した男性らを追悼する場所はない」と下院事務局への書簡で述べ、4人の肖像の撤去を求めた。

 歴代下院議長の肖像が掲げられているスピーカーズ・ロビー(Speaker's Lobby)から肖像が撤去されたのは、2015年に少年に対する性的虐待に関連して口止め料を支払ったことに関する罪を認めたデニス・ハスタート(Dennis Hastert)元下院議長の肖像が撤去されて以来とみられる。

 今回撤去されたのは、バージニア州のロバート・ハンター(Robert Hunter)、ジョージア州のハウエル・コブ(Howell Cobb)、同州のチャールズ・クリスプ(Charles Crisp)、サウスカロライナ州のジェームズ・オール(James Orr)の肖像。

 ペロシ氏はまた、南部連合大統領を務めたジェファーソン・デービス(Jefferson Davis)を含む、南部連合の人物の像11体を議会から撤去するよう求めている。

 映像は18日撮影・提供。(c)AFP