【6月19日 AFP】米カリフォルニア州の砂漠都市パームデール(Palmdale)のショーナ・グリーン(Shawna Green)さん(46)ら多くの住民にとって、黒人男性ロバート・フューラー(Robert Fuller)さん(24)の死が人種差別によるものであることには疑いの余地はない。

 今月10日、木からつり下がった状態で死亡しているのが見つかったフューラーさんについて、グリーンさんは「一言でいえば、隠ぺいだ」と語った。

 当局は当初、フューラーさんの死を自殺と発表した。だが、これに激しく抗議したフューラーさんの家族と市民運動の指導者らから徹底的な捜査や検視解剖の要求を受け、これを撤回した。

 現在は、連邦捜査局(FBI)もフューラーさんの死を調査することを約束している。さらに、先月31日にパームデールの東約80キロのビクタービル(Victorville)で、別の黒人男性マルコム・ハーシュ(Malcolm Harsch)さん(38)が木に首をつった状態で発見された件についても調査を行い、2人の死が自殺なのか、または犯罪行為があったのかを見極めるとしている。

 2人の死は多くの人に、19世紀後半から20世紀前半までの米国史における痛々しい時期を想起させる。この時期、何千人ものアフリカ系米国人が、人種差別に基づく、法的に認められないリンチ(私刑)によって殺害された。

 これらの黒人の死の多くは、悪名高い白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」によるものだった。KKKは、黒人を木からつるした。