【6月19日 AFP】中国は18日夜、ヒマラヤ山脈(Himalayas)にあるインドとの係争地での衝突で捕らえたインド兵10人を解放した。PTI通信(Press Trust of India)などが19日、報じた。

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 衝突は15日、中国・チベット自治区(Tibet Autonomous Region)に接する印ラダック(Ladakh)地方にあるガルワン(Galwan)渓谷で発生。両軍はくぎを打ち込んだこん棒でたたいたり、石を投げたりして戦いを繰り広げ、インド兵少なくとも20人が死亡した。両国はその後、緊張緩和を目指して協議を重ねていた。

 インド政府は声明を出していないが、同国軍は「(ガルワン渓谷の衝突の後)作戦行動中に行方不明になったインド兵が一人もいないことが判明している」と発表した。

 PTI通信によると、インド兵の解放は、両国軍の将官級協議で合意されたものだという。

 インドでは18日、衝突で死亡した兵士20人の多くの葬儀が営まれ、大勢が参列した。中国製品の不買運動が起きる中、少なくとも2都市で、中国の国旗や習近平(Xi Jinping)国家主席のポスターが燃やされた。

 インド軍によると、ガルワン渓谷の衝突で重傷を負った兵士18人が今も治療を受けている。

 中国は、同国側に死傷者が出たことを認めているが、人数は明らかにしていない。(c)AFP