【6月19日 AFP】世界保健機関(WHO)は18日、新型コロナウイルスに対するワクチンを年内に数億回分製造できる可能性があるとの見解を示した。接種はウイルスに対し最も脆弱(ぜいじゃく)な人々を優先するべきだとしている。

 WHOの主任科学者、ソーミャ・スワミネイサン(Soumya Swaminathan)氏はインターネットを通じて開かれた会見で、各製薬会社が開発を急いでいるワクチンについて、WHOは2021年末までに20億回分を製造できると想定していると説明。現在世界中で200以上のワクチン候補について研究が進められており、うち10候補は治験の段階にあるとし、「非常に運が良ければ、今年の終わりまでに1、2候補で好結果を望める」と述べた。

 また、ワクチン接種の必要性が高い3つのグループとして、最前線に立つ医療関係者や警察官などのウイルスにさらされる可能性が高い人たち、高齢者や糖尿病患者など新型ウイルス感染症に最も弱い人たち、都市部のスラム街や介護施設などの感染リスクが高い場所で過ごす人たちを挙げ、「最も脆弱な人から始め、次第により多くの人にワクチン接種をしていかなければならない」と述べた。(c)AFP/Robin MILLARD