【6月18日 AFP】英政府が首相機を国旗「ユニオンジャック(Union Jack)」色に塗装することに90万ポンド(約1億2000万円)を投入する計画を発表したことを受けて、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相に18日、冷笑とやゆが向けられた。

 首相官邸は、歴代首相と王室メンバーが使用する英王立空軍(RAF)機ボイジャー(Voyager)を、イングランド東部ケンブリッジ(Cambridge)近郊で塗装していると発表。

 首相報道官は「費用は90万ポンド前後になる見通し」で、「世界に国をPRしていくためのデザイン料も含まれている」と明かしていた。

 ジョンソン氏は外相時代の2018年に、「灰色」の首相機に同乗しなければならないことに不満を漏らしていた。

 今回の発表に野党が反発。新型コロナウイルスの感染拡大で大勢の国民が困窮しているさなかに、ジョンソン氏が虚栄心を満たすために税金を無駄遣いしていると強く批判した。

 自由民主党の党首代行は、英国の研究者らが新型ウイルス感染症の重篤患者の治療に有効としたステロイド薬「デキサメタゾン」に触れ、塗装費を薬剤費に回せば「18万回分買えたはずなのに、首相はその代わりに飛行機に国旗を描いている」と嘆いた。

 また最大野党の労働党員は「お願いだから、子どもじゃなくて大人を首相にしてもらえませんか」とツイッター(Twitter)に投稿した。(c)AFP