【6月19日 Xinhua News】中国北京市園林緑化局は26回目の「砂漠化および干ばつと闘う世界デー」を迎えた17日、北京市と天津市(Tianjin)周辺の砂漠化を防ぎ、生態環境を改善するプロジェクト「京津風沙源治理工程」の成果について、20年間で累計854万ムー(約56万9千ヘクタール)を超える造林・営林を実施したと発表した。山地に砂漠化を防ぐための「緑の壁」を構築したことで、市内の砂ぼこりによる被害が激減したという。

 北京はかつて砂ぼこりの被害に悩まされ、1990年代には市内の砂漠化面積が87万ムー(5万8千ヘクタール)に上った。2000年には2カ月の間に黄砂による強い砂嵐「砂塵(さじん)暴」に8回、強い風で砂ぼこりが吹き上げられる「揚沙(ようさ)」に4回見舞われた。

 砂ぼこりの被害を抑え、北京に青空を取り戻すための国家級生態プロジェクト「京津風沙源治理工程」は2000年6月に始動した。プロジェクトは1期と2期に分かれ、第2期工事では昨年末までの造林・営林面積が146万8200ムー(約9万8千ヘクタール)、小流域の総合整備が748平方キロ、人工植草が9万ムー(6千ヘクタール)に上った。

 同局の統計によると、北京の山地の森林被覆率は58・8%で、20年前に比べ19%増えた。うち同プロジェクトの貢献率は90%に達する。プロジェクトエリア内では水土流出を1ヘクタール当たり年間54万3千トン抑えることができ、山津波や土石流の発生率が顕著に低下した。広大な森林が砂の飛来を防ぐことで、北京では砂ぼこりの発生が大幅に減少、10年以降の年間観測日数は平均3日となっている。同局防砂治砂弁公室の責任者によると、プロジェクトの第2期工事は現在も進行中で、22年に完了する予定。(c)Xinhua News/AFPBB News