英オックスフォード大、植民地政治家セシル・ローズ像撤去へ
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【6月18日 AFP】英オックスフォード大学(University of Oxford)のオリオル・カレッジ(Oriel College)は17日、19世紀植民地時代の政治家セシル・ローズ(Cecil Rhodes)の像を撤去することを投票で決定した。この像をめぐっては2週間ほど前から撤去を求める大規模な抗議活動が行われていた。
オリオル・カレッジは、ビクトリア朝時代に鉱物採掘で巨額の富を築いたローズの像にまつわる「重要な問題」の独立調査を開始する意向も示し、「これらの決定は議論と再考を重ねた熟慮の期間を経て到達したものだ。決定が今後、英国や世界各地に影響を及ぼすだろうということは十分認識している」と述べた。
今月9日にはローズ像の撤去を求める大規模なデモが行われ、参加者らは「像を倒せ!」「植民地解放!」などと訴えた。
4年前に始まったローズ像の撤去運動は、アフリカ系米国人のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが白人警官の拘束下で死亡した事件を受けて世界中に広がる「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」運動によって再燃した。
デモの参加者たちは、1902年以降オックスフォード大学で学ぶ留学生8000人以上に授与されてきたローズ奨学金の見直しも要求している。
大英帝国形成の多くの貢献者と同じく、ローズも白人至上主義者であり、現在のジンバブエとザンビアに当たる植民地に自身の名前を冠し「ローデシア(Rhodesia)」と名付けた。またローズは、ダイヤモンド生産大手のデ・ビアス(De Beers)社の創立者でもある。
ローズはオックスフォード大学で学び、1902年に亡くなるとその遺産はオリオル・カレッジに寄付された。
オリオル・カレッジは、独立調査委員会を設置して黒人やアジア人、少数民族の大学生・大学院生の入学や進学状況の改善策について検討すると述べ、「21世紀における大学の多様性への取り組みを、過去とどのように調和させていくか」見直していくと表明した。(c)AFP