■リアルタイムで介入可能に

 スクリプス研究所のエリック・トポル(Eric Topol)所長は「1億人以上の米国人がスマートウオッチあるいはフィットネスバンドを持っている」ことから、ウエアラブル端末を使うという発想は期待できると述べた。

 一方、米カリフォルニア州の医療技術スタートアップ、エビデーション・ヘルス(Evidation Health)は、米政府と「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)」から資金を受け、新型コロナウイルスの感染リスクが高い300人が装着したウエアラブル端末から早期警告のアルゴリズムを生成するプロジェクトを開始した。

 エビデーションの共同創業者で主席データサイエンティストのルカ・フォスキーニ(Luca Foschini)氏は研究の狙いについて、「いつ、どこで新型コロナウイルスに感染する可能性があるかをより効果的に特定し、感染拡大の制限と結果観察のためリアムタイムで介入することを潜在的に可能にする」ことだと述べた。

■娯楽から医学へ

 最新の研究によって、当初は娯楽やフィットネス用に開発されたウエアラブル端末が、重要な医学研究に応用できる可能性があることが分かってきている。

 アップルは、自社のスマートウオッチによって心臓疾患を探知する研究を開始した。一方、フィットビットは、がんや糖尿病、呼吸器疾患やその他の健康問題に関する約500の研究プロジェクトを実施している。

 スタンフォード大学(Stanford University)の研究チームは4月、スクリプス研究所と協力し新型コロナウイルスなどの疾病を、ウエアラブル端末を用いて探知する研究に参加する予定だと発表した。(c)AFP/Rob Lever