【6月21日 CNS】中国・四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)は古き時代から芸術的雰囲気を漂わせている街だ。現在は多元化が進み、芸術は新たな時代に入った。徐々に大衆文化に変容し、さまざまな異なる風格の芸術的空間が雨後のたけのこのように街角に現れ、庶民の生活に染み込んでいる。成都市錦江区(Jinjiang)の雑貨店「樹下zakka」で10日、韓国から来た小型の展示会が静かに行われていた。

「樹下zakka」は1990年代生まれの若者3人が共同運営する雑貨店とカフェと展示スペースを合わせた小さな店だ。2019年8月から営業を開始した。それほど広くはないスペースに、さまざまな個性ある日本的雑貨が並べられており、少し中に入ると、そこは店舗内の展示スペースとなっている。簡素ながら明るい店内で、展示品は十分に存在感を表している。

 同店の責任者の冰児(Bing Er)さんによると、開店してから今まで、絵画、版画、陶芸など異なるジャンルの展示イベントを開催してきた。現在開催中のイベントは、かわいい挿絵展だ。デザインは若者を対象として設定し、より多くの若者がこのアートな世界に飛び込んでくるのを期待しているという。

 芸術カフェの「BanBar」は、カフェを飲みながら展示品を鑑賞できる点では「樹下zakka」と同じだが、対象は若者ではなく広い年齢層の人だ。この店は4月17日に開店したばかりで、現在は油絵展を開催している。

 同店の責任者の曾さんによると、大型の美術館や芸術展とは異なり、ここのような独立した空間では、参観者に自由に交流できるスペースを提供するだけでなく、マイナーな芸術家にとって自身の作品を展示する場所ともなっている。

 従来は、展覧会を開催することは政府系でない限り難しかったが、現在では企業や画廊、各種の個人による芸術スペースが誕生している。展示の重心も政府から民間へと移行し、芸術をぜいたくで大きく高級なものから、庶民の生活の中で使えるものへと変わってきている。冰児さんも曾さんも、彼らの空間によって、芸術が庶民の日常生活の中に溶け込んでいくことを望んでいる。(c)CNS/JCM/AFPBB News