【6月18日 AFP】19-20イングランド・プレミアリーグは17日、第28節延期分の試合が行われ、アストン・ビラ(Aston Villa)はシェフィールド・ユナイテッド(Sheffield United)と0-0で引き分けた。新型コロナウイルスによって中断されていた同リーグの再開初戦では、ゴールライン・テクノロジー(GLT)が作動しないというアクシデントに見舞われ、得点が認められず勝ち点を落としたシェフィールドのクリス・ワイルダー(Chris Wilder)監督は、「笑うべきか泣くべきか」分からないと話した。

 ビラのGKオルヤン・ニーラン(Orjan Nyland)は前半、オリバー・ノーウッド(Oliver Norwood)が蹴ったFKをキャッチし、後退しながら倒れ込んでボールがゴールラインを越えたものの、ホークアイ(Hawk-Eye)システムは得点だと認めなかった。

 マイケル・オリバー(Michael Oliver)主審やアシスタントレフェリーは介入できず、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)も助言しなかったため、ワイルダー監督は欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)出場権確保に不利な影響を与えたこの判定にストレスを募らせた。

 約3か月の中断を強いられていたプレミアリーグにとっては、議論を呼ぶ形での再開となった。

 GLTのシステムを管理するホークアイ・イノベーションズ(Hawk-Eye Innovations)は、正しく作動しなかったことを謝罪する発表文を出し、ニーランとチームメートのケイナン・デイビス(Keinan Davis)、そしてゴールポストが障害になっていたため、ボールがラインを越えていることをカメラがとらえられなかったと述べた。

 しかしワイルダー監督は、ボールは明らかにゴールラインを越えており、VARが手を貸すべきだったと主張した。

「笑うべきか泣くべきか分からない。ジョークはすでに始まっている。すべてがはっきりとするだろうが、われわれは非常に失望しており、折り合いをつけなければならない」

 英サッカーのプロ審判員協会(PGMOL)は発表文の中で、GLTが作動しなかった際、なぜVARが介入しなかったのかを説明した。

「国際サッカー評議会(IFAB)のプロトコルの下では、VARは得点の場面を確認できるが、ピッチにいた審判が信号を受信しなかったという事実とその特殊性により、VARは介入しなかった」

 勝ち点差をより縮める可能性があったものの、4位チェルシー(Chelsea)と4ポイント差の6位となったシェフィールドのワイルダー監督にとっては、そうしたことも一切慰めにはならなかった。(c)AFP