【6月18日 Xinhua News】中国山西省(Shanxi)陵川県(Linchuan)馬武寨村(Mawuzhai)にある馬武寨寄宿制小学校は、標高1300メートルの太行山の奥地に位置し、同村の周囲数十キロ圏内にある唯一の学校となっている。同校には教師3人と児童7人が在籍し、赤い屋根と白壁の校舎とともに、農村における独特な教育現場の雰囲気を作り出している。

 児童7人のうち、村内在住の2人を除いた5人は、いずれも学校から十数キロ離れた小さな山村に住んでおり、一部の村は携帯電話の電波やインターネットが整備されていない奥地にある。新型コロナウイルス感染症の発生後、同校はさまざまな困難を克服し、これらの村に住むオンライン授業を受けられない生徒のため、教師を家に派遣して授業を行った。

 かつて同校の校舎は石を積み上げて造られ、あちこちから隙間風が入り、授業環境は厳しかった。現在は地元政府が校舎を修繕したほか、教室にマルチメディア機器を、調理室に冷蔵庫と殺菌機を増設、児童の宿舎にも電気暖房設備などを設置した。

 優秀な大学卒業生を農村の学校に教師として赴任させるため、中国政府は教師の特設ポストを設け、農村の義務教育を強化する計画を始動した。2019年9月に山西師範大学(Shanxi Normal University)現代文理学院の英語科を卒業した陳燕子(Chen Yanzi)さんは特設ポストの教師として同小学校に赴任し、6年生の英語と科学、全校児童の音楽、美術、体育の授業を担当している。

 同県教育局の秦国平(Qin Guoping)局長は農村の教師について、山奥の学校の児童たちが自分の夢を見つめ、外の世界を眺める手助けとなる、明るい窓のようだと語った。(c)Xinhua News/AFPBB News