【6月17日 AFP】オランダの画家ビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent Van Gogh)とフランスの画家ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin)が共同で執筆し、売春宿訪問について記したり、お互いを称賛し合ったりする内容の手紙が16日、フランス・パリで競売に掛けられ、21万600ユーロ(約2600万円)で落札された。

 ゴッホとゴーギャンの署名の入ったこの手紙は、パリ市内のオークションハウスのドゥルオー(Drouot)で、アリストフィル(Aristophil)という会社のコレクションから出品された。

 手紙は1888年11月1日または2日、南仏アルル(Arles)から友人の画家エミール・ベルナール(Emile Bernard)に宛てて送られたもの。ゴッホはこの手紙を送ってから2年とたたないうちに37歳で死去した。

 ゴーギャンは1888年10月23日、ゴッホが住んでいたアルルに到着。2人はその後数か月にわたって共同生活を送り、制作活動を行った。

 ゴーギャンの滞在中、ゴッホは自身の耳を切り落とし、売春宿のお手伝いの女性にそれを預ける事件を起こした。これがきっかけとなり、しばしばぎくしゃくしていたゴッホとゴーギャンの関係は事実上破綻した。

 ゴッホは手紙の中で、ゴーギャンについて「野生動物の本能を持った童貞」と呼び、「ゴーギャンの中では、血とセックスが大望に勝る」と表現している。

 さらに、「われわれは何度か売春宿を訪れた。今後はしばしば売春宿で絵を描くことになりそうだ」とも述べている。

 また、手紙の最後のページではゴーギャンが「ビンセントの言うことは聞いてはいけない」「知っての通り、彼は影響されやすい」などと記している。

 映像は15日撮影。(c)AFP