【6月17日 AFP】シリア反体制派の最後の拠点となっている北西部イドリブ(Idlib)県の行政当局は経済崩壊を回避するために、闇市場で急落しているシリア・ポンドに代えてトルコ・リラの導入を開始している。当局者が15日、明らかにした。

 イドリブ一帯を支配下に置いているイスラム過激派組織「タハリール・アルシャーム機構(HTS)」と関係がある同県の行政機関「救済政府(Salvation Government)」は、すでに先月からトルコ・リラによる賃金や給与の支払いを開始しており、商取引や両替所にもトルコ・リラの流通を指示しているという。

 現地のAFP特派員は14日、イドリブ県内の送金施設でトルコ・リラの紙幣が入った箱と同じく硬貨が入った袋が床に置かれていたのを見たと報告している。これに先立ち国連(UN)は12日、大量のトルコ通貨が前日イドリブ県に到着したとの報告があると発表した。

 シリア経済は9年に及ぶ内戦で疲弊し尽くしているところにきて、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権の支配地域に対する米ドル供給路として機能していた隣国レバノンの財政危機により一層壊滅的な状態に陥っている。闇市場ではここ数日間でシリア・ポンドが暴落し、物価は急騰、店舗は休業に追い込まれ、政権の支配下にある南部でもまれな反体制デモが起きている。

 映像はトルコ・リラ札と貨幣を仕分ける銀行員や、トルコ・リラを使用する人々。シリア北西部イドリブ県サルマダ(Sarmada)で14、15日撮影。(c)AFP