【6月17日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)政権は16日、ホワイトハウス(White House)内部に関する暴露本とみられるジョン・ボルトン(John Bolton)前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の著書について、出版差し止めを求める訴えを起こした。

 ボルトン氏の著書「The Room Where It Happened: A White House Memoir(仮訳:それが起きた部屋 ホワイトハウス回想録)」は今月23日に出版予定だが、米政権は首都ワシントンの連邦裁判所に提出した訴状で、ボルトン氏が内容の審査に応じていないため、著書が「機密情報にアクセスするための条件として署名した合意書に明確に違反」することになると指摘している。

 米政府で長い経歴を持つボルトン氏は、トランプ氏の側近として補佐官を務め、そのタカ派的な見解から論争の的にもなっていた。

 しかし、北朝鮮やアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)に関する外交政策をめぐって仲たがいをしたことを機に昨年9月、補佐官を解任された。その後、2人は公然と敵意を互いにむき出しにするようになった。

 ボルトン氏の著書は大統領執務室での事柄も含む暴露本とうたわれており、出版社サイモン&シュスター(Simon & Schuster)は「トランプ氏があなたに読んでほしくない本」と宣伝している。

 ボルトン氏はトランプ氏について、政敵ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領を調査するようウクライナ政府に圧力をかけたほか、弾劾可能な多くの違反行為に及んだと主張している。(c)AFP