24節気それぞれの藍色を染め出す
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【6月17日 People’s Daily】賴蕾(Lai Lei)さんは中国西南部貴州省(Guizhou)榕江県(Rongjiang)生まれ、少数民族侗族の出身だ。彼女は伝統的な型染め技術を受け継ぎ、また現代の新技術を導入し、自分が積み重ねてきた膨大なデータを基に、1年中どの季節にも型染めができる技術革新を実現した。
五感をフルに使い、賴蕾さんはすぐその顔料が良い状態かどうか、調整が必要かどうか判断できる。
今年45歳になる賴蕾さんは、幼少期から母親が機を織る音の中で育ち、これが彼女の織り・染めに対する並ならぬこだわりを形作った。雲南芸術学院油彩画専攻で学んだ経歴によって、藍染めなど伝統手工芸に対する人とは違った理解と執着が生まれた。
藍染めは中国でも古くから伝わる型染め技術であり、1000年以上の歴史を持つ。およそ藍染め液作り・布の漂白・染め・洗い・干しなどの段階に分けられる。毎年6~7月に、職人達がタデアイから藍染め液作りを行い、それができてから染めの段階に入る。
「ただ布を染める段階だけでも、30以上の工程があります」。以前は布染めができるのは1年に1度で、普通は6月末から7月初めに新しい藍染め液を作り、それから布を染め始め、11月には甕(かめ)に封をして、冬の間は染色ができなかった。しかし、賴蕾さんは1年中染め物を行っている。彼女が継承した伝統的な藍染め技術に、現代の新技術を結合したイノベーションである。
他の職人が口伝の経験に頼るなか、賴蕾さんは精密な温度コントロールと湿度の標準化による染色を実現した。
賴蕾さんの工房には温度計と湿度計があり、彼女の「藍染めノート」には気温・湿度・水温・甕の材質・生地・pH値など様々な数値が記録されている。「化学実験のようなものです」と賴蕾さんは言う。3年間のデータの蓄積を通して、藍染め液や甕の材質の選択から、染色時の天気・水温・湿度まで、賴蕾さんは大量のデータ収集と分析を行った。
賴蕾さんは記者に語った。「春は雨が多いので、染められた青は緑色に傾きがちです。夏はブルーグレーに傾きがちで、秋は最もきれいな青が出ます。冬は黄みがかった青になります。藍は気ままなのです」。この3年で賴蕾さんが発見したのは、同じ気温や気候条件の下で染められた藍色は全て違う色になるということで、また春分・清明、谷雨、立夏など24節気に染めた布は24色の違った藍色になるということだった。
中国独自の藍染めのカラーチャートを追究することが、賴蕾さんの初志だった。「私は後から来る人に回り道をさせたくないのです。季節が違っても、同じデータの支えがあれば、いつも同じ色調の布が染められるはずです」
染料甕に対しても、賴蕾さんは思い入れがある。甕に問題が起きた時でも、賴蕾さんは植物や薬草を使って、甕に「修復」を施し、その甕を復活させるのだ。
布を染め、洗い、干し、色を定着させる工程はいずれも繊細な作業である。
2017年、賴蕾さんの創作した「藍染め24節気」は、中国民族博物館の永久収蔵品となった。伝統的な理念の継承と工芸技術、科学的・芸術的な価値が高く評価された。
伝統技能に柔軟に科学技術を取り入れ、後進の学びのため賴蕾さんは心を尽くして布を染めている。(c)People's Daily/AFPBB News