【6月16日 AFP】米西部ニューメキシコ州で15日、入植時代の指導者の像を倒そうとしたデモ隊と重武装した市民集団が衝突し、男性が銃で撃たれ負傷した。当局の発表とメディアの報道で明らかになった。

 米ミネソタ州で非武装だった黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警官の拘束下で死亡した事件を受けて、世界的な反人種差別運動が続く中、植民地主義や奴隷制度に関係する記念碑が世界中で倒されたり撤去されたりしている。

 地元メディアによると、男性が銃弾を受けたニューメキシコ州アルバカーキ(Albuquerque)では、16世紀に同州を統治したスペイン人征服者のフアン・デ・オニャーテ(Juan de Onate)像の撤去をデモ隊が要求していたという。

 地元紙アルバカーキ・ジャーナル(Albuquerque Journal)によると、デモ隊が像を引き倒そうとした際、「ミリシア」と呼ばれる右派武装組織の小集団が像を守ろうとし、衝突が発生。

 警察は、被害者は重体だが容体は安定しているとみられると明かした。

 アルバカーキ市警のマイケル・ガイヤー(Michael Geier)署長はツイッター(Twitter)に、警察は「今回の暴力を引き起こした可能性のある複数の自警団」に関する報告を調査しており、「もし事実と判明すれば、ヘイトグループとしての連邦指定や訴追など、法律の及ぶ最大限の範囲まで責任を取らせる」と書いた。

 米メディアの映像には、警察が複数の男性を拘束する姿が捉えられており、一部は迷彩服姿で銃を持っていた。(c)AFP