【6月16日 AFP】(更新、図解追加)インド軍は16日、ヒマラヤ(Himalaya)地域にある中国との係争地で中印両軍が衝突し、インド兵士少なくとも20人が死亡したと発表した。核保有国同士である両国の間で起きた武力衝突としては過去40年以上で最多の犠牲者を出すものとなった。

 衝突は15日、中国・チベット自治区(Tibet Autonomous Region)に接する印ラダック(Ladakh)地方にあるガルワン(Galwan)渓谷で発生。

 AFPの取材に応じたインド軍筋は、銃器の発砲はなく、「暴力的なつかみ合いの乱闘だった」と述べた。中印両国が領有権を争う国境地帯では頻繁に小競り合いが起きているが、1975年以降、死者は出ていなかった。

 インド軍は当初、死者数を3人と発表。だがその後の発表で、衝突により重傷を負った17人が「高高度地域で氷点下の気温にさらされ、けがが原因で亡くなった」と説明した。

 インド軍は「双方に犠牲者」が出たとしている。中国国防省は、衝突により犠牲者が出たことは認めたものの、犠牲者の国籍などについては言及していない。

 中国政府は、インド側が中国部隊を攻撃したと非難。中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は、インド軍部隊が15日に2度境界線を越え、「中国の兵員を挑発・攻撃し、両国側の国境部隊の間で深刻な物理的衝突に至った」と説明した。

 インドの外務省報道官これに反論し、衝突は「中国側が一方的に現状を変更しようと試みたこと」が発端となったと主張した。

 中印両国は長年にわたり国境をめぐり対立していたが、ここ数週間で緊張が激化。先月9日には、インド北部シッキム(Sikkim)州で乱闘や投石などの騒ぎが起き、中印両軍の兵士数人が負傷していた。(c)AFP