【6月16日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は15日、オクラホマ州タルサ(Tulsa)で開催が予定されている大統領選へ向けた選挙集会について、新型コロナウイルス感染拡大を懸念する地元の反対にもかかわらず、会場定員の3倍の聴衆6万人を集めて開催すると強弁した。

 トランプ氏はホワイトハウス(White House)で報道陣に対し、20日に予定されている集会について「(会場には)2万2000席あるが、隣の会議場も使えばあと4万人は入るだろう」と語った。

 だがオクラホマ州ではこのところ新型コロナウイルスの感染者が増えており、現地紙や地元の保健衛生当局はトランプ氏の集会の計画を批判している。

 現地紙タルサ・ワールド(Tulsa World)は社説で「タイミングが悪い」と一蹴。「なぜタルサを選んだのか分からないが、とにかく彼が来ることがこの街のためになるとは思えない」「後になって何か起きたら、それに対処しなければならないのはわれわれの医療制度だ」などと非難した。

 タルサは人口50万人弱の都市だが、トランプ氏は15日のツイッター(Twitter)への投稿で、今回の集会への参加申し込みが殺到しているとして、「オクラホマ州タルサでの『サタデーナイト・ラリー(Saturday Night Rally)』には、100万人近い申し込みが来ている」と述べた。

 新型ウイルス流行の懸念に加え、タルサは1921年に白人の暴徒による黒人の虐殺が起きたことで知られる土地でもあり、黒人男性の死亡事件をきっかけに全米で反人種差別デモが巻き起こる中、トランプ氏の選挙集会はこの時期にここを開催地に選定した無神経さも問題視されている。(c)AFP/Sebastian Smith