【6月16日 AFP】サッカードイツ1部リーグで4度の優勝経験を誇り、現在は3部に所属するカイザースラウテルン(1.FC Kaiserslautern)は15日、破産申請を行ったと発表した。しかし、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受けて同国サッカー連盟(DFB)が今季採用した新たなルールにより、クラブは存続するとみられている。

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 最後にブンデスリーガ1部を制したのは1997-98シーズンにまでさかのぼるカイザースラウテルンは、2011-12シーズンに2部行きが決まり、一昨シーズンには最下位に沈んだことで3部降格となった。

 2000万ユーロ(約24億円)の負債があるカイザースラウテルンは、新シーズンに向けて必要な1500万ユーロ(約18億円)が用意できておらず、この額については今後も投資家を通して解決する必要がある。

 破産申請したカイザースラウテルンだが、今季のために4月に修正が発表されたルールの下、通常の場合とは異なりリーグ戦では勝ち点を剥奪されない。

 この措置は、6試合を残して降格圏と7ポイント差の中位につけるカイザースラウテルンの残留に手を貸すかもしれない。

 マネジング・ディレクターを務めるオリバー・フォークト(Oliver Voigt)氏によれば、財政を立て直すことにより、クラブは企業として運営を続け、来季に向けて計画を立てていくという。

 フォークト氏は15日の記者会見で「手続きの目的は、経済状態を迅速に回復させることだ」とコメントした。

 今後3か月間、連邦雇用庁が1選手につき1か月で最大6900ユーロ(約83万円)の給料をカバーするため、同チームの救済費用は納税者の負担となる。

 ドイツは5月中旬に1部と2部リーグが無観客で再開し、欧州のサッカー強豪国として、パンデミック後に最初にリスタートを切った。3部リーグも先日から再始動し、カイザースラウテルンは再開後の5試合で3勝を挙げている。

 3月中旬にリーグ戦がストップした直後、収入の損失を理由に1部と2部の計36チームのうち13チームが破産の危機に直面していると独誌キッカー(Kicker)は伝えていた。(c)AFP