【6月16日 AFP】フランスのユゴー・ビオレ(Hugo Biolley)氏は、母親と共に暮らす大学生。同国でこのたび行われた統一地方選で、18歳という若さで村長に選出され、注目を集めている。

 ビオレ氏を首長に選んだのは、同国南東部アルデシュ(Ardèche)県にあるバンジュー(Vinzieux)村。人口450人のこの村には学校も商店もないが、若き村長は地元の活性化に意欲を示している。

 グルノーブル政治学院(Sciences Po Grenoble)の現役大学生で、19歳の誕生日を迎えたばかりのビオレ氏は「選挙活動が始まった直後から、集会で最大のテーマになったのが僕の年齢だった。どうやって自治体を運営していくんだ、予算を見たことはあるのか、などと聞かれた。時には人を見下したような質問もあった」と認めた。

 自治体によっては、統一地方選の決選投票が今月28日に予定されているとはいえ、ビオレ氏が最年少の自治体首長になるのはほぼ確実とみられている。ただ同氏は、年齢のことは忘れさせたいと考えている。

 村の新体制発足に伴い退任する前助役(46)は、ビオレ氏を強く支持しており、「19歳の若者(が村長)と聞けば不安の声も上がって当然だが、ユゴーはとてもしっかりしていて、落ち着いている。どういう方向性を目指すのか、ビジョンを持っている」と話す。

「学ばなければならないことはあるが、大きな能力を秘めている。私は心配していない」と期待を示している。

 一方、「有能そうだがちょっと若いと思う。そこだけだ」と語るのは、1995~2008年に村長を務めたジャンルイ・ボナルデル(Jean-Louis Bonnardel)氏(76)。

「きちんとサポートされていれば大丈夫だとは思うが、若干未熟な印象はある。バンジュー村では多くの人々がそう言っている」と指摘している。

 ビオレ氏はソーシャルネットワーク上で不快な言葉を目にすることはあるが、実力で人々を納得させようと決意を固めている。「プロジェクトをどんどん立ち上げていけば、ダイナミックさを認めてもらえると思う。お役所的な手続きにとらわれてもたもたするつもりはない」と話している。(c)AFP/Alexandre GROSBOIS