【6月15日 AFP】世界的な抗議運動を受けて植民地大国だった国々に厳しい視線が注がれる中、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は14日、同国の歴史を構成する要素の抹消や、物議を醸している植民地時代を象徴する人物の像の撤去を求めない方針を明らかにした。

 英米では、怒れる民衆が植民地時代を象徴する人物の像を倒し、欧州でも植民地時代の主要な指導者らの経歴に向けられる目が厳しくなってきている。しかしマクロン氏は、自国の歴史の構成要素を覆い隠したり、人種差別的な価値観や政策を提唱した可能性のある公人の像を撤去したりすることはしないと明らかにした。

 マクロン氏はまた、同国が初めて新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)との闘いで勝利を収めたと述べた。行動制限の大半を解除する方針を示す一方、3万人近い死者を出した新型ウイルス危機の「教訓に学ぶ」意向も明らかにした。

 マクロン氏によると、パリを含めたフランス本土全域は15日から警戒レベルが引き下げられて「グリーン」となり、カフェやレストランが通常営業を再開できる。海外県・地域圏のマヨット(Mayotte)とフランス領ギアナ(French Guiana)は感染者数が多く、医療制度を逼迫(ひっぱく)する恐れがあるため、警戒レベルは現状維持の「オレンジ」になるという。(c)AFP/Joseph Schmid