【6月14日 AFP】(更新)ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は14日、米国の反人種差別運動について初めてコメントし、抗議運動は米国の根深い危機の表れであると述べた。また新型ウイルスをめぐる米国の状況について、リーダーシップの欠如を批判した。

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 テレビ局ロシア1(Rossiya 1)のインタビューでプーチン大統領は、米国での一連の出来事について問われると、「現在起きていることは、内部に深く根差したいくつかの危機の表れだ」と指摘。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)と関連付けて、「(抗議運動は)問題があることを示した。新型コロナウイルスとの闘いに関連する物事が、全般的な問題に光を当てた」と話した。

 同局は新型コロナウイルスの流行が始まって以来初めてとなる同大統領とのインタビューの抜粋を公開。14日夜に全編を放送する予定となっている。

 同大統領はこのインタビューでさらに、新型ウイルスをめぐる状況について米国とロシアを対比。「われわれはコロナウイルスをめぐる事態を、最小限の損失にとどめながら抜け出しつつある。米国ではそうしたことが起きていない」と話した。

 また新型ウイルスをめぐる米国の状況について、強力なリーダーシップの欠如を指摘。「大統領が、われわれはこうする必要があると話しても、どこかの知事が大統領をたしなめる」「グループの利益、党の利益が、社会全体の利益、国民の利益よりも上位に置かれていることが問題だと思う」と述べた。

 ロシアでは、「政府や自治体の誰もが『われわれは政府の言うこと、大統領の言うことを聞かない』などと言うことはないと思う。そういうことは間違いだと考えている」と述べた。

 ロシアでは14日、感染者が新たに8835人確認され、計52万8964人となった。世界で3番目に多い数字だが、米国の感染者数は207万人とはるかに多く、世界最多となっている。(c)AFP