【6月14日 AFP】米ジョージア州アトランタ(Atlanta)で、警官が黒人男性を拘束しようとした際に発砲し男性が死亡したことを受けて、アトランタ市警のエリカ・シールズ(Erika Shields)署長が辞任することになった。ケイシャ・ランス・ボトムズ(Keisha Lance Bottoms)市長が13日、明らかにした。

 公式報告書によると、死亡したのはレイシャード・ブルックス(Rayshard Brooks)さん(27)。ブルックスさんは12日夜、ファストフード店のドライブスルーレーンに止めた車の中で寝ていたため、従業員が他の客の迷惑だと警察に通報した。

 警官らが飲酒検査で陽性だったブルックスさんを拘束しようとすると、ブルックスさんは抵抗。監視カメラの映像には、「警官らともみ合っていたブルックスさんが警官の一人のテーザー銃を奪い、現場から逃走しようとする」様子が映っていた。

「警官らが走ってブルックスさんを追うと、ブルックスさんは振り返ってテーザー銃を警官に向けた。警官が発砲すると、銃弾がブルックスさんに当たった」という。ブルックスさんは病院に搬送されて手術を受けたが死亡した。警官1人も負傷した。

 米国では、非武装のアフリカ系男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さんが先月25日に警察の拘束下で死亡した事件を受け、各地で大規模な抗議行動が起きている。

 ブルックスさんの死に抗議しデモ隊が再びアトランタ市内の通りに繰り出した。ボトムズ市長は、ブルックスさんを射殺した警官が免職処分を受けたことを明らかにした。

 ボトムズ市長は、米大統領選で民主党候補指名が確実となったジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領の副大統領候補としても名前が挙がっている。(c)AFP