【6月14日 AFP】ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が主催する男子テニスの慈善大会アドリア・ツアー(Adria Tour)が13日、セルビアの首都ベオグラードで開幕した。

 バルカン半島を転戦する今大会の初日には、新型コロナウイルスの規制による影響で今後の舞台となる予定だったモンテネグロでの開催中止が決定する、いきなりのつまずきもあった。

 しかし、新型ウイルスの影響で男女のツアーが少なくとも7月末まで再開しない見通しとなっている中、ベオグラードを一時的にテニス界の「中心」にしたジョコビッチに対してはファンから称賛の声が上がっている。

 今大会には世界ランキング1位のジョコビッチをはじめ、同3位のドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)、同7位のアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)、同19位のグリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)らが出場する。

 ベオグラードの主催者は当初、セルビアにおけるロックダウン(都市封鎖)緩和後に導入されたルールを尊重して1000枚のチケットを販売したが、わずか7分で完売。その後、当局がさらに規制を緩めたため、追加で1000枚を売りに出したが、それもすぐさまソールドアウトになった。また主催者によれば、その他に2000枚のチケットがスポンサーに配られたという。

 観戦に訪れた観客は、主催者側が推奨した感染防止策にほとんど従わなかった様子で、スタジアムの入り口では全員にマスクが配られたが、会場内で着用していた人はごくわずかだった。

 この日は4人のスターの他、地元セルビア出身のヴィクトル・トロイキ(Viktor Troicki)、フィリップ・クライノビッチ(Filip Krajinovic)、ドゥサン・ラヨビッチ(Dusan Lajovic)、ニコラ・ミロイェビッチ(Nikola Milojevic)が登場。

 すると、そのクライノビッチがジョコビッチを3セットで破ると、急きょ出場が決まったミロイェビッチもディミトロフを2セットのストレートで破り、初日に二つの番狂わせを起こした。

 ベオグラードでは13日から2日間、クレーコートで行われる。その後、クロアチアをはさんでモンテネグロで27日と28日にも大会が開かれる予定だったが、新型ウイルスのガイドラインでセルビア人のモンテネグロへの移動が認められていないとして、中止が決まった。

 最後の舞台となるボスニア・ヘルツェゴビナでは、7月3日から5日にかけて行われ、最終日にはジョコビッチが地元のダミアー・ジュムホール(Damir Dzumhur)とエキシビションマッチを戦う。(c)AFP