【6月14日 AFP】南米チリのセバスティアン・ピニェラ(Sebastian Pinera)大統領は13日、ハイメ・マニャリッチ(Jaime Manalich)保健相の辞任を発表した。チリでは首都圏での1か月超にわたるロックダウン(都市封鎖)実施にもかかわらず新型コロナウイルスの感染が拡大しており、死者数の政府発表をめぐっては物議を醸していた。

 政府は国民に対し、3月3日に最初の感染者が確認されて以降3000人超が死亡したと発表していた。しかし、調査報道機関CIPERは13日、チリ保健省が世界保健機関(WHO)に送った文書のコピーを入手した上で、同省がWHOに報告した死者数が実際は5000人超であったことを明らかにした。

 マニャリッチ保健相は、同省の死者数集計方法をめぐる批判に直面。パウラ・ダサ(Paula Daza)保健次官は、WHOに報告した死者数は新型コロナ感染が確認された死者数と感染が疑われる死者数の合算である一方、政府が毎日発表するのは鼻から採取した検体の検査で感染が確認された死者数のみだと説明した。

 チリ当局は12日、24時間で新たに6754人が感染、222人が死亡したと報告した。(c)AFP