【6月14日 AFP】米大リーグ(MLB)の名門ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)が、過去の電子機器を使ったサイン盗みでヒューストン・アストロズ(Houston Astros)やボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)と同様に追及される可能性が浮上した。

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 米ウェブサイトのジ・アスレチック(The Athletic)によれば、ニューヨーク州地方裁判所の判事が、2017年にMLBのロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーがヤンキースへ送った書簡を公開するよう命じた。

 書簡には、ヤンキースのサイン盗みに関する詳細が記されており、球団は「評判に大きな傷がつく」と公開に抵抗しているという。チームはほぼ完全版の書簡を15日の昼までに提出しなければならず、公開に対しては緊急の異議申し立てを行う可能性が高いと伝えられている。

 2017年のMLBでは、レッドソックスがアップルウオッチ(Apple Watch)を使ってサインを盗んだとされ、罰金を科されたが、ヤンキースも「ベンチの電話の使用に関するルール」への違反で同様の処分を受けた。

 書簡に記されている詳細が明らかになれば、ヤンキースのスキャンダルは2017年のアストロズと2018年のレッドソックスの醜聞に匹敵するレベルに発展する可能性がある。両チームはその年それぞれワールドシリーズを制覇したが、電子機器を使ったサイン盗みが発覚して以降は汚れたタイトルと言われている。

 アストロズは外野席に設置したカメラで相手捕手のサインを盗み、ベンチ近くの画面に映して選手が見えるようにしていた。そしてベンチの選手がごみ箱をたたいて打者に球種を知らせていた。

 リーグは1月、チームが2017年と2018年シーズンにこのシステムを使っていたとする調査結果を発表し、A.J.ヒンチ(A.J.Hinch)監督とジェフ・ルーノウ(Jeff Luhnow)ゼネラルマネジャー(GM)に対して1年間の職務停止と、球団に対して500万ドル(約5億4000万円)の罰金とドラフト1巡目、2巡目指名権の2年間剥奪の処分を科した。

 ヒンチ監督とルーノウGMは、後にチームから解雇されている。また、当時のアストロズのコーチで、レッドソックスの指揮官に就任していたアレックス・コーラ(Alex Cora)監督も退任した。

 そのレッドソックスについても4月に調査結果が出て、コーラ前監督とリプレー映像担当者が1年間の職務停止処分を受けた。(c)AFP