【6月13日 AFP】英国で13日、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の公式誕生日を祝う毎年恒例の軍事パレード「軍旗分列行進式(Trooping the Colour)」が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により縮小した形で執り行われた。

 94歳のエリザベス女王は、新型ウイルス感染症の流行中の滞在先であるロンドン西郊のウィンザー城(Windsor Castle)の広場で実施された小規模な軍事パレードを見学。女王が公の場に姿を見せたのは、3月後半にロックダウン(都市封鎖)が始まって以降、初めてとなる。

 またウィンザー城で君主の公式誕生日の祝賀イベントが開催されるのは、1895年にビクトリア女王(Queen Victoria)の誕生日を祝して以来だという。

 パレードではウェールズ近衛連隊(Welsh Guards)の兵士らが、少なくとも2メートルの距離を取るという政府の指針を順守しながら実施された。

 エリザベス女王は過去3か月間、城内で隔離状態にあったものの、4月には国民に対して異例のテレビ演説を行い、さらに今週にはオンライン上での「ビデオ会議」にデビューを果たすなど、姿を見せようと努めてきた。

 女王の実際の誕生日は4月21日で、新型コロナの流行によりその際も、伝統の礼砲は実施されなかった。

 二つの誕生日を持つ伝統は、実際の誕生日は10月30日だったものの、夏に誕生日を祝うことを望んだというジョージ2世(George II)が1748年に始めたという。(c)AFP