米ロサンゼルスで中国人科学者を逮捕、人民解放軍所属のスパイか
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【6月13日 AFP】米ロサンゼルスで今週、米国を出国しようとしていたスパイとみられる中国人研究者が、ビザに関する不正の容疑で逮捕された。サンフランシスコ連邦地検と連邦捜査局(FBI)が11日、共同で明らかにした。
両当局の発表によると、シン・ワン(Xin Wang)容疑者は今月7日、中国行きの航空便に搭乗しようとしていたところ、身柄を拘束された。
同容疑者は昨年3月、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)で科学研究に従事しようとする医学研究者になりすまし、米国に入国していた。
だが空港でワン容疑者は、米税関・国境警備局(CBP)の職員による取り調べを受け、 実際には中国人民解放軍(PLA)の将校であり、軍の大学研究室に雇われていたことを認めたという。
裁判所の文書によると容疑者は、UCSFにある研究室のレイアウトを観察し、中国で再現する方法についての情報を持ち帰るよう、中国の上官から指示を受けていたとCBP職員に明かした。
当局は、「ワン容疑者がPLAの同僚らと共有するため、UCSFの研究を手に入れて中国にある自身の研究室にメールで送信したとの情報を、CBPが入手した」と発表。さらに、「容疑者は同様に、UCSFの指導教授に対し、同教授の研究の一部を中国の研究室で再現したと明かしていた」という。
同容疑者は、有罪となれば最大で禁錮10年、および罰金25万ドル(約2700万円)が科せられる。
その一方、中国は12日、男がスパイ行為に関与していたとの主張を否定。
外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道局長は定例記者会見で、「(米国は)ワン・シン氏がPLAの将校だと主張しているが……彼は循環器官の研究者であると理解しており、彼が米国の国家的な利益や安全保障を脅かしているとは考えていない」と話した。(c)AFP