【6月13日 AFP】米国は、デンマーク領グリーンランド(Greenland)の政庁所在地ヌーク(Nuuk)に領事館を開設した。デンマークの首都コペンハーゲンにある米国大使館が10日、発表した。1年近く前、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は北極圏にある広大なグリーンランドの購入に関心を寄せ、デンマークの反発を招いていた。

 カーラ・サンズ(Carla Sands)駐デンマーク米大使は、「領事館は、米政府とグリーンランド、デンマーク両政府の密な協力関係を示す新たな証しだ」と述べた。

 米政府は昨年12月、領事館開設についてデンマーク政府の認可を得ていた。米国はさらにグリーンランドに対し、採鉱や観光、教育の分野で1210万ドル(約13億円)を支援する申し出を行い、グリーンランドは4月末にこの提案を受け入れたことを明らかにしていた。

 グリーンランドには独自の議会があるが、外交関係はデンマーク政府が運用し、経済は同国からの補助金に大きく依存している。一方で、原油や天然ガス、金、ダイヤモンド、ウラン、亜鉛などの天然資源が豊富で、地球温暖化の影響で新たな海上航路も見込まれることから、米国や中国、ロシアの関心を集めてきた。

 トランプ氏は2019年8月、グリーンランドを購入する案を提示したが、グリーンランド、デンマーク共に反発していた。(c)AFP