【6月15日 AFP】米国で、新型コロナウイルス危機がもたらした激変に不安を感じる人の間で、占い師に頼る人が増えている。いつワクチンができるのかなど不確実な未来を不安視する人がその答えを占い師に求めている。

【図解】新型コロナウイルスと子供にまつわる状況、いまだ残る不明点も

 指導者たちが時に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する混沌(こんとん)としたメッセージを送り、感染の第2波を避けるために引っ越すべきか、 別の仕事が見つかるかなど人々が混乱した生活に対する助言や慰めを求める中、米国の占星術師やタロットカード占い師の間で活動の拡大が報告されている。

 米調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)の2017年の世論調査によると、米国人の約30%が、星や惑星の動きが人間の生活に影響を与えていると信じている。市場調査会社IBISワールド(IBISWorld)によれば、米国人が「霊能力サービス」に使った金額は22億ドル(約2400億円)に上るという。

 米調査会社コムスコア(Comscore)によれば、米国で新型ウイルスの流行が始まった今年3月、アストロ・ドットコム(Astro.com)やカフェ・アストロロジー(Cafe Astrology)、アストロロジー・ゾーン(Astrology Zone)などの占星術サイトへの訪問数は前月に比べて増加した。

 米ニューヨークの著名な占星術師アンヌ・オーテリー(Anne Ortelee)氏(65)は、ウイルス流行以降、売り上げが25%伸びたと試算。人々は自分たちの政治指導者を信じていいかどうか自問していると述べている。

 オーテリー氏によれば、占星術師らは今年1月に冥王星と土星がやぎ座で重なり合ったため大災害が起きることを知っていたと話す。今年後半にはさらに木星も集まることから、さらなる不安定さが示唆されているという。

 同氏は「これらの惑星がすべて空の同じところに集まるというのは非常に珍しい」と指摘。「ウイルスは再流行する」と不吉な警告を発し、それぞれの家庭で120日分の食料を備蓄するのが賢明だと語っている。(c)AFP/Peter HUTCHISON