【6月12日 AFP】男子テニス、世界ランク40位のニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は11日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)や人種差別の抗議デモが全米に拡大している中で、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)の開催を計画しているのは「身勝手」だと、男子プロテニス協会(ATP)を批判した。

 気難しい選手として知られるキリオスは、フラッシング・メドウズ(Flushing Meadows、全米オープン開催地)での四大大会(グランドスラム)開催を決めるのは時期尚早であるという認識を示し、出場を保留している世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)ら他の選手に同調した。

 ショーマンとしてファンに人気の高いキリオスは、自身のツイッター(Twitter)アカウントに、「ATPは全米オープンの開催を進めようとしている。現在起きている全ての出来事を踏まえれば身勝手だ」「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はもちろんのことだが、暴動のこともある。テニスが再開する前に、人々が一丸となってこういった困難を乗り越えなければならないというのが自分の考えだ」とつづった。

 今季のテニスは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で3月中旬から中断され、全仏オープンテニス(French Open 2020)の延期とウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2020)の中止が決定した。

 開催地ニューヨークが米国におけるウイルス大流行の中心地となっているにもかかわらず、8月31日に本選が開幕する全米オープンは現時点で予定通りのスケジュールが組まれている。(c)AFP