【6月12日 AFP】中国政府は11日、欧州連合(EU)が発表した中国とロシアが新型コロナウイルスに関する偽情報を拡散しているとの報告について、「誤った非難」だと一蹴した。

 EUは新型コロナをめぐる誤った医療情報、陰謀説、虚偽発言、憎悪発言の「氾濫」に対処するための戦略報告書で、異例の率直な批判を展開。中国とロシアが「標的を絞った影響を及ぼす活動と偽情報キャンペーン」によって、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の間に欧州の民主主義を弱体化させ、自国の評判を高めようとしていると主張している。

 中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は定例記者会見で、報告書は「明白な事実に触れていない」「中国に対するこの誤った非難は、それ自体が偽情報だ」と指摘した。

 また、「わが国がイメージを向上させるために自慢したり、偽情報に頼ったりしたことはない。このウイルスは人類の共通の敵であり、偽情報もまた人類の共通の敵だ」とした。

 EUのジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表(外相)は10日、報告書を発表する一方、EUは中国との「冷戦(Cold War)」を望んでいないことを中国外相に請け合ったと述べていた。(c)AFP