■旧ソ連の象徴の崩壊

 旧ソ連の解体により、多くの指導者の像が台座から引きずり下ろされた。

 1989年11月、ポーランドの首都ワルシャワでは、若者らが拍手喝采する中、ソ連の国家保安委員会(KGB)の前身となる秘密警察を指揮したフェリックス・ジェルジンスキー(Felix Dzerzhinsky)の像が取り壊された。

 モスクワにあったジェルジンスキーの別の像は、ミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元大統領と同氏の民主化政策に反対するクーデターが未遂に終わった後、1991年8月に取り壊された。

 2013年12月には、ウクライナの首都キエフでウラジーミル・レーニン(Vladimir Lenin)の像が、数十人の覆面のデモ参加者らによって倒された。大規模な蜂起のきっかけとなり、ついには親ロシア派のビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領政権の崩壊に発展した。

 ジョージアではソ連から分離独立後20年近くを経た2010年、ようやく独裁者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)の像が、出身地のゴリ(Gori)で撤去された。撤去作業は夜間ひそかに行われたが、3年後、再び設置された。

■倒されたナポレオン像

 1871年、「パリ・コミューン(Paris Commune)」革命運動により、バンドーム広場(Place Vendome)の高さ40メートルを超える円柱の上に建てられていたフランス皇帝ナポレオン・ボナパルト(Napoleon Bonaparte)の巨大なブロンズ像が、引き下ろされた。

 パリ・コミューン支持者らは、その前年にナポレオン3世(Napoleon III)がプロイセンに屈辱的な敗北を喫したのを受けた民衆蜂起を率いていた。

 著名画家のギュスターブ・クールベ(Gustave Courbet)が像引き下ろしの首謀者として6か月間投獄され、像の再建費の支払いを命じられた。新しい像は1873年に建てられた。(c)AFP/Gautier Virol