【6月12日 AFP】英国で奴隷貿易の商人エドワード・コルストン(Edward Colston)の像がデモ参加者らによって引き倒され、ベルギーでは元国王レオポルド2世(King Leopold II)の像が当局により撤去された。このような象徴的行為には、多くの前例がある。

 最近の例は、米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で白人の警察官に押さえつけられて黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが死亡した事件をきっかけに起きたものだ。

 以下、歴史的・政治的人物の像が引き倒された例をまとめた。

■米国

 2017年8月、ノースカロライナ州ダーラム(Durham)で、奴隷制に反対するデモ参加者らが、南北戦争(American Civil War、1861-1865)で奴隷制擁護の象徴であった南軍兵士の像を引き倒した。

 その2日前、バージニア州シャーロッツビル(Charlottesville)では、南軍のロバート・E・リー(Robert E. Lee)将軍の像の撤去計画に反対するネオナチ(Neo-Nazi)らが抗議集会を開き、それに反対するグループと衝突、反対派の女性1人が死亡した。像の引き倒しは、これを受けての出来事だった。

 フロイドさんの死に対する怒りが巻き起こる中、今年は奴隷制度と関連のある南部の記念碑が複数解体された他、今後撤去される予定のものもある。

■中東

 2003年4月9日には、失脚したイラクの独裁者サダム・フセイン(Saddam Hussein)元大統領の巨大な彫像が、米海兵隊の助けを借りて引き倒され、熱狂した見物人らにとって、20年にわたるフセイン独裁支配の崩壊が確実なものとなった。

 2011年3月には、シリア南部ダルアー(Daraa)で、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の父、故ハフェズ・アサド(Hafez al-Assad)前大統領の像が壊され、これが蜂起のきっかけとなって全面戦争に発展した。