【6月12日 AFP】男子ゴルフ米国ツアー、チャールズ・シュワブ・チャレンジ(Charles Schwab Challenge 2020)は11日、テキサス州フォートワース(Fort Worth)のコロニアルCC(Colonial Country Club、パー70)で開幕し、ハロルド・バーナー3世(Harold Varner III、米国)とジャスティン・ローズ(Justin Rose、イングランド)が7アンダー「63」で首位発進した。

 新型コロナウイルスの影響で3か月ぶりのツアーとなる今大会では、米ミネソタ州で警官に殺された黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんを追悼するための黙とうが、フロイドさんが警官に手錠をかけられて首を膝で押さえつけられていた8分46秒間にちなみ、午前8時46分に設定された。

 この事件をきっかけに、全米で人種差別や社会的正義をめぐる抗議デモが拡大している中、2016年のオーストラリアPGA選手権(Australian PGA Championship 2016)覇者であるバーナー3世は、今大会では自分以外のためにもプレーするか聞かれると、「それは間違いない」と回答。フロイドさんの死をきっかけに、この数日間は社会的不平等に関するPGAの話し合いに中心的に参加していたという。

 しかし、新型コロナウイルスの大流行で実に91日ぶりにコースに復帰した際には、他の147選手と同様にこの問題は頭になかったといい、「コースに出たときは、そのことについては考えていなかった」「ゾーンに入っていて、とにかく良いプレーをしたかった。コースに戻れて良かったし、できる限りいつも通りにすることを心掛けていた」とコメントした。

 自己最少「62」に次ぐ1ラウンドのスコアを記録した29歳のバーナー3世はこの日、パット数29を記録したほか全18ホールにおいて規定打数でのグリーンオンに成功するなど、ノーボギーの好調ぶりをみせていた。

 一方、第113回全米オープン選手権(2013 US Open Championship)覇者のローズは、最初の12ホールで7バーディーを記録すると、残りの6ホールではすべてパーセーブに成功。バーナー3世とともに、3位タイグループに並んだホナタン・ベガス(Jhonattan Vegas、ベネズエラ)、アブラハム・アンセル(Abraham Ancer、メキシコ)、ジャスティン・トーマス(Justin Thomas、米国)、そしてコリン・モリカワ(Collin Morikawa、米国)に1打差をつけた。

 新型コロナウイルスの大流行によって、今大会ではソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)や検温などの安全対策が強化され、プレーも無観客で行われた。トーマスは試合後、「ファンが一人もいないから不気味だった」と振り返っていた。

 世界ランキング1位のロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)は、同2位のジョン・ラーム(Jon Rahm、スペイン)、同3位のブルックス・ケプカ(Brooks Koepka、米国)と同組でプレー。マキロイとケプカは「68」の2アンダーで39位タイグループに並び、優勝すれば世界1位の座を奪取する可能性があるラームは、「69」の1アンダーで57位タイグループにつけた。(c)AFP