【6月12日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は10日、同国プロバスケットボール(NBA)のスーパースターであるレブロン・ジェームズ(LeBron James)が、米大統領選挙を5か月後に控える中で、他のプロスポーツ選手らと協力してアフリカ系米国人の投票権を保護するための慈善団体を設立する計画を発表したと報じた。

 全米各地で大規模な抗議デモが拡大し、黒人に対する何百年もの人種差別を終わらせようと世界中で呼び掛けられている中、ジェームズは同紙に対して、「人々がわれわれに耳を傾け、ある程度注目するようになってきたと感じている。今こそ変化をもたらすときだ」と語った。

 ジェームズらが設立する「More Than A Vote」という名称の団体は、アフリカ系米国人に対して、選挙人登録をして11月3日に行われる大統領選挙の投票に行くように促すことを目的としている。さらには、アフリカ系米国人から選挙権を奪う可能性がある要因との闘いも目指しているという。

「そうだ、われわれは皆さんに選挙へ行って投票してもらいたい。しかし、それだけでなく個別に指導も行うつもりだ」「具体的な投票の仕方や、これから自分が何をしようとしているのか、逆に何が投票を妨げているのか説明していく」

 ツイッター(Twitter)やインスタグラム(Instagram)、フェイスブック(Facebook)などで合計1億3500万人のフォロワーを持つジェームズは、ソーシャルメディアを駆使し、人種的マイノリティーの投票権を制限しようとする動きに公然と反発する意向を示した。

「キング・ジェームズ」自身が出資するこのプロジェクトには、NBA選手のトレイ・ヤング(Trae Young)やジャレン・ローズ(Jalen Rose)のほか、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)でプレーするアルビン・カマラ(Alvin Kamara)、さらには米コメディアンのケヴィン・ハート(Kevin Hart)氏らも参加。報道によると、活動の際には投票の推進運動をしている「When We All Vote and Fair Fight」などの団体とも協力していくという。

 今回の動きは、黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)が白人警官に9分近くにわたり膝で首を押さえつけられて死亡した先月の事件以降、米国で人種差別や警官の暴力に対する怒りが新たになったことが発端となっている。(c)AFP