【6月12日 AFP】米軍制服組トップのマーク・ミリー(Mark Milley)統合参謀本部議長は11日、ホワイトハウス(White House)近くで先週、反人種差別デモの参加者を強制排除した上で行われたドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の写真撮影に同行したことは間違いだったと表明した。

 ミリー氏は首都ワシントンの国防大学(National Defense University)卒業式で上映された動画メッセージで「私はあの場にいるべきではなかった。私があの瞬間、あのような場所にいたことで、軍の国内政治への関与という印象を与えてしまった」と述べた。

 米国では、ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)の白人警官が黒人のジョージ・フロイド(George Floyd)さんを死亡させた事件を受け、抗議デモと略奪行為が各地に拡大。トランプ氏が鎮圧のため米軍部隊を投入する構えを示したことから、軍と政権の関係には溝が生まれている。ミリー氏の発言は、既に緊迫している米軍上層部と政権の関係をさらに悪化させる可能性がある。

 トランプ氏は今月1日、ホワイトハウスから徒歩で政権幹部らを伴って聖ヨハネ聖公会教会(St John's Episcopal Church)前まで移動し、聖書を手に写真撮影を実施。その際、ホワイトハウスと教会の間に位置するラファイエット公園(Lafayette Park)では、人種差別に抗議する平和的なデモを行っていた数百人が、警察や州兵によって発煙筒や催涙ガスに似たペッパー弾が使われ強制排除された。

 写真撮影はトランプ氏による政治的なパフォーマンスだと広く受け止められ、参加したミリー氏とマーク・エスパー(Mark Esper)国防長官は強い批判を受けていた。特に、迷彩服を着用して同行したミリー氏に対する反発は強かった。(c)AFP/Paul HANDLEY