【6月11日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は10日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で生じた課題に対処するため、2021年に延期となった東京五輪の主催者側は、大会の簡素化を検討していると明かした。

 AFPの独占インタビューに応じたバッハ会長は、主催者側は五輪簡素化に向けて200の提案を検討中だとした。「想像通り影響は非常に大きい。延期された五輪の編成など過去に一度もないので、われわれが果たすべきこのとてつもない仕事に設計図はない。現在進行形のパンデミックという極めて困難な状況下で成し遂げなければならないのだ」

「そのためわれわれは、日本のパートナーや友人たちと共に、運営の簡素化や複雑性の削減、コストの抑制をどうやって実現するか検討しているところだ」

 東京五輪はもともと7月24日に開幕する予定だったが、3月に史上初の延期が発表され、開幕日は2021年7月23日と定められた。しかし新型コロナウイルスが収束していなければ、来年7月でも開催は不可能だと懸念する声が上がっている。

 そうした中でバッハ会長は、五輪開催の可否を判断する最終期限は設けていないと明かし、「これに関しては期間も期限もない。今回のパンデミックや危機の間に私たちが何か学んだとすれば、それは問題は1日ごとに、場合によっては1時間ごとに進展するということだ。そのため今の時点で最終期限を定めることはできない」と語った。

「われわれは五輪の成功に向けて努めており、日本と共に来年7月に集中している」「すべての参加者にとって安全な環境で開催するという五輪の原則を守っていく」 (c)AFP/Eloi ROUYER