【6月10日 AFP】カナダ・モントリオールの川に迷い込み、地元住民の目を楽しませていたザトウクジラの子どもと思われる死骸が見つかった。

 ケベック(Quebec)の海洋哺乳類保護局(RQUMM)のマリーエブ・ムラー(Marie-Eve Muller)氏が9日、モントリオールの東におよそ20キロ離れたケベック州バレンヌ(Varennes)付近を航行していた船の船員が発見したと、AFPに対し明らかにした。

 当局は、死骸をモントリオールから80キロ東のソレル(Sorel)までけん引し、巨大クレーンで岸に引き上げた。ムラー氏は「数日前にモントリオール近郊で確認されたクジラの可能性が高い」と述べている。

 ザトウクジラの子どもが迷い込んだのはセントローレンス(St Lawrence)川で、5月30日以降、モントリオールのビル群を背景に泳ぐ姿が確認されていた。

 推定2〜3歳で、遠目には健康状態は良好のようだった。科学者らはクジラが400キロ以上離れた河口のセントローレンス湾(Gulf of Saint Lawrence)に自力で戻ることを期待していた。

 死骸を発見した船員はラジオ・カナダ(Radio Canada)に、船と衝突した可能性を示す「出血や変形は見られなかった」と語っている。

 地元メディアは専門家らの話から、このクジラが貨物船と衝突したか浅瀬に乗り上げてしまったのではないかと報じている。(c)AFP