【6月10日 Xinhua News】中国湖南省(Hunan)湘西(Xiangxi)トゥチャ族ミャオ族自治州瀘渓県(Luxi)は今年2月末に貧困脱却を果たしたばかり。これまで、県内の全ての子どもが9年間の義務教育を享受し、知識を生かして貧困家庭という運命から抜け出せるよう、県は奮闘を続けてきた。

 同県浦市鎮(Pushi)麻渓口村出身の寥(りょう)さん(15)の家は経済的に困窮しており、2015年に貧困世帯に認定された。小学校卒業後、寥さんは両親とともに東南沿海部の浙江省(Zhejiang)に出稼ぎに出るため、学校を中退。これを知った瀘渓県の貧困救済事業責任者らは、1270キロ離れた浙江省紹興市(Shaoxing)に駆けつけて寥さんの両親を説得し、瀘渓県の学校に戻れるよう取り計らった。

 同県ではここ数年、「一人も見逃さない」という目標を据えて、教育面での貧困脱却堅塁攻略の重要任務として「中退を減らし、学びの機会を守ること」に力を入れ、同任務を各郷と鎮、関連部門の「教育強県(教育が優れている県)」審査、目標管理と業績審査システムに組み入れて、学生がいつでも復学できる体制を整えてきた。

 中国国内のその他貧困地区でも同様に、適齢期の児童を就学させるための対策が進められており、9年制の義務教育が広まるにつれて、貧困地区の学生中退者数は大幅に減少した。教育部のデータでは、小学校入学適齢児童の昨年の純入学率は99・94%で、政府は、全ての子供が就学の機会を得られるように、農村の学校に引き続き無料オンライン授業を提供し、学校建設と修繕にあてるための資金を援助していく。(c)Xinhua News/AFPBB News